巨人軍の「ミスタープロ野球」として、昭和から平成、令和へと語り継がれるスーパースター・長嶋茂雄さん。
その輝かしいキャリアの裏側には、家族、そして何より妻・亜希子さんの深い支えがありました。
しかし、晩年には「別居報道」や「闘病生活」、「ハワイのお墓」といったワードが独り歩きし、真実が見えにくくなっています。
この記事では、長嶋茂雄さんの妻・亜希子さんにスポットを当て、「別居はなぜ起きたのか?」「どんな病気だったのか?」「死因と最後の姿は?」「ハワイに眠る理由とは?」といった読者の疑問を丁寧に解き明かしていきます。
長嶋亜希子さんとは?国際派で才女だった“陰の支え”
長嶋亜希子さんは1943年に東京都で生まれました。
中高は名門・田園調布雙葉で学び、大学はアメリカ・ミネソタ州の聖テレサ大学へ。
英語・スペイン語・フランス語を操る「トリリンガル」で、1964年の東京オリンピックでは通訳として要人の対応も担当しました。
そんな亜希子さんと長嶋茂雄さんが出会ったのは1964年のことです。
二人が出会ったのは、報知新聞社がセッティングした対談企画でした。
長嶋さんは出会ったその日に一目惚れし、「この人しかいない」と即アプローチします。
二人は電撃的に恋に落ち、1965年に結婚します。
長嶋家には4人の子どもが生まれました。
長男・一茂さん(元プロ野球選手・タレント)をはじめ、長女・有希さん、次女・三奈さん、次男・正嗣さん。
次女の三奈さんは、母親の亜希子さんが亡くなった後、「オフィスエヌ」の代表として長嶋茂雄さんの資産を管理しています。
“おしどり夫婦”だった二人の別居報道に衝撃
1970年代から1990年代まで、長嶋夫妻は公私ともに仲睦まじい理想の夫婦として知られていました。
しかし、2000年代に入り、週刊誌やスポーツ紙で「長嶋夫妻が別居している」との報道がされました。
一部では「女性問題」「家庭内不和」といった憶測も飛び交いましたが、事実はまったく異なりました。
別居の理由は“夫への思いやり”だった
実は亜希子さんは、1980年代から「膠原病」という難病を患っていたのです。
膠原病とは自己免疫の異常により、関節・皮膚・内臓などに慢性的な炎症を引き起こす病。進行すると腎不全や心不全のリスクも伴い、人工透析が必要になることもあります。
亜希子さんは20年以上も病気と闘い、週に3回の透析を受けながらの生活を続けていました。
体にとって日本の冬は冷えによる悪化リスクがあり、医師から「温暖な気候で療養を」との勧めもあったそうです。
そこで選んだのが、ハワイへの長期滞在でした。
つまり「別居」というより、「療養のための移住」だったのです。
長嶋茂雄さんと亜希子さんは愛で結ばれていたからこそ、離れて暮らしていたのです。
長嶋亜希子さんの死因と、最期の日々
2007年9月18日、長嶋亜希子さんは心不全のため、東京都内の病院で静かに息を引き取りました。
享年64歳でした。
前日に長男・一茂さん夫婦と会食した帰りの車の中で体調を崩し、そのまま意識が回復することはありませんでした。
長嶋茂雄さんをはじめ、家族全員が交代で付き添い、最後の時間をともに過ごしました。
長男の一茂さんはテレビ番組で、亜希子さんが亡くなった時に、長嶋茂雄さんは何も言葉を発せず、ただただ泣いていたと明かしていました。
また、当時は長嶋茂雄さん自身も2004年に脳梗塞を発症し、リハビリの最中でした。
病気の夫と、病気の妻という互いに闘病する状況で、支え合っていたのかもしれませんね。
ハワイに建てられたお墓の理由
亜希子さんが亡くなった後、遺骨の一部はハワイ・オアフ島の墓地に納骨されました。
なぜハワイにお墓を?と多くの人が疑問を抱きましたが、それは彼女が最も穏やかに過ごせた「第二の故郷」だったからです。
医療環境、気候、すべてが整ったハワイで、晃子さんは人生の最終章を穏やかに過ごしていたのです。
ただ、長嶋茂雄さんは亜希子さんが亡くなった後、東京都世田谷区にある九品仏浄真寺にもお墓を建立し、分骨されたとも報じられています。。
名選手の裏に名伴侶あり——“強く、美しく、賢かった”妻
華やかなスター選手の陰には、表に出ることのない苦労や支えが存在します。長嶋亜希子さんは、まさにその象徴的な存在でした。
家庭を守り、夫を支え、病と闘いながらも“最後まで品格を崩さなかった”という証言は多く残されています。
彼女はただの「奥さん」ではなく、「生涯を通して長嶋茂雄という男を守り抜いた、強くて賢いパートナー」だったのです。
まとめ:あなたなら、どんな“支え”を選びますか?
長嶋茂雄さんと亜希子さんの関係は、決して表面的な“美談”だけでは語り尽くせません。病気、別居、老い、別れ――現実は厳しいものばかりでした。
けれども、そこには深い愛情と信頼、そして“支え合う覚悟”がありました。
今、パートナーや家族と向き合うあなたにも、考えてほしい問いがあります。
「もし、大切な人が病に倒れたら、あなたはどう支えますか?」
それぞれの“愛のかたち”があることを、この夫婦の軌跡は教えてくれます。